生きるモチベーション(1)

「生きるためのモチベーションとは何か?」この命題は、非常に奥深く、難解な問題です。私も会社を辞めた際、この問いの答えを求めて読書に没頭しました。

その過程で、原始仏教に出会い、仏陀の教えを自分なりに理解したとき、この問いの答えに近づいたように感じました。

仏陀の教えは、実は簡単で明瞭なものだと私は考えています。真実はただ一つ、「諸行無常」です。つまり、すべてのものは常に変化しているということです。このため、この問いの答えも絶対的なものはなく、変化し続けます。若いころのモチベーションと現在のモチベーションは異なりますし、生きるステージが変わればモチベーションも変化します。

しかし、仏陀の教えによれば、モチベーションの有無にかかわらず、人間は「八正道」に従って幸福に生きるべきだとされています。そのためには、日々の活動――食べる、寝る、身支度をするなど――を正しく、精一杯行うことが必要です。そこにモチベーションを見いだせる人もいますが、日々の生活に加えて、自分が決めた目標に向けて淡々と努力を続けることで、モチベーションを持つ人もいます。

結局のところ、人はモチベーションの有無に関係なく、今この瞬間を正しく真剣に生きることが大切だと考えています。それこそが「天命」と言えるでしょう。

人はどうしても自分の生き方に意味を見出したくなるものですが、実際にはそれは必要ありません。モチベーションの有無にかかわらず、今を一生懸命に八正道に従って生きること――これこそが最も重要なことであり、未来が自然とその意味を与えてくれるのです。


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