アメリカの大統領選挙が大変なことになっています。ここ数週間で、トランプ氏が狙撃され、バイデン大統領が立候補を取りやめ、副大統領のカマラ・ハリス氏が立候補するという流れになりました。

支持率では拮抗しているという報道もありますが、7月29日時点では、トランプ氏がかなり有利であるというのが実情のようです。しかし、投票までまだ3か月あり、その間にどのように変化するかは予断を許しません。

ここでは選挙戦の動向ではなく、今回の選挙が民主主義というシステムをどのように変貌させようとしているのかについて洞察してみたいと思います。

民主主義には様々な形態がありますが、アメリカの民主主義はもっとも発達したものの一つだと思います。しかし、どの国の民主主義もまだまだ発展途上であり、2016年のトランプ大統領の登場以来、民主主義に大きな試練が訪れていると考えられます。

この試練の顕在化としては、民主党政権に対する強い不満のため、国民が分断され、政治が不安定化していることです。さらに、2024年の選挙でトランプ氏が負けることで大きな暴動が起こり、政治そのものが破壊されるというリスクもあります。

それほどに現行の政権に対する不満が大きくなっています。その主な原因は移民問題とインフレです。これらの問題は新しいものではないのですが、国民がなぜこれほど強い不満を抱いているのか? そこに現在の民主主義の欠陥があるのかもしれません。

課題は明確になっていますが、解決がうまくいかないため、国民の一部では現行の政府を信用しなくなっています。それほどまでに政治課題の解決に対する不満が強くなっています。これは、やはりインターネットの進化が影響していると思いますが、これに対応するためには、基本に戻って社会課題解決のプロセスの透明化と、その解決状況の透明化が必要だと言わざるを得ません。

今日のテクノロジーを利用すればそれは可能ですが、透明化するためには強力なリーダーシップが必要となります。トランプ氏にはそれが期待されているように思われます。

つまり、これからの民主主義の発展のためには、強力な政治リーダーシップによって社会課題解決の透明化とその解決プロセスの透明化を進めることが必要です。今、日本にもそのようなリーダーが求められているように思います。


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