日本の安全保障を考える

2020年代は、安全保障上の大きな国難が続いています。中国発生のコロナウィルスによる国際的なパンデミック。ロシアによるウクライナ進行、北朝鮮の核ミサイル開発、今年に入っては能登半島の巨大地震です。今後も、国際環境や気候変動により、ますます国難のリスクが高くなっています。

現在、安全保障といえば軍事的な国家防衛が主に取り上げられることが一般的ですが、安全保障は国の領土や国民を守るために軍事だけでなく、自然災害やパンデミックからも守ることを含みます。自衛隊はこれらの多岐にわたる対応を既に行っています。

今回の能登半島の巨大地震を見ていますと、災害救助の対応が遅れました。今後、いろいろ、課題分析が行われると思いますが、現時点で、自衛隊の出動が遅く、小出しであったとの批判があります。そこには、日本の憲法問題とそれに伴う自衛隊法が関係していると考えられます。いのちを守るためには、スピードが重要です。大災害では、広範囲で移動困難な地域でのスピードが求められます。これは、大きな組織、よく訓練された組織である自衛隊が最も得意とする分野です。東北震災での自衛隊の活躍の成功は、まさに自衛隊が災害救助に強いことを証明しました。

そこで、自衛隊を災害救助での専門の体制と能力を備え、災害救助への対応を迅速に行えるようにしてはいかがでしょうか?完全な思いつきになりますが、規模の大きさ、訓練された組織、日本中どこにでも移動できる機動性など、消防や警察が対応できないものをカバーできます。

自衛隊に災害救助の専門知識と装備を配置して、国内の災害救助を積極的に行うようにすることは、そう単純な話ではありません。災害は複雑でいろいろな知識が必要ですから、すべてを防衛省で完結できるわけはなく、いろいろな団体と連携する必要があります。また、自衛隊の位置づけを変えるのは、憲法も含めいろいろな法律や国民のコンセンサスが必要となります。

しかし、能登の悲劇を見ていると、スピードと機動性がある強力な災害救助体制が必要です。防衛省の位置づけを軍事的な防衛だけでなく、自然災害とパンデミックなどによる災害救助からの防衛も含む体制にすることで、効率的、迅速、柔軟に組織が実現できます。今回の能登での悲劇が一人でも減るよう、このような体制を整備することを提案したいと思います。

結局、世の中は諸行無常です。常に変化していくものです。国際状況の変化、気候変動の変化に従って、安全保障の概念を変化させ、自衛隊の体制も変化させることは必然の流れだと考えます。変化の対応に遅れるほど災厄が大きくなります。


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