日米両政府は7月28日、都内で日米安全保障協議委員会(外務・防衛担当閣僚協議、2プラス2)を開き、在日米軍に新たな軍事司令部を設けると発表しました。日本の安全保障問題は、幅広い知識が必要とされますが、私なりのたわごとを述べてみたいと思います。
何事もそうですが、洞察の切り口や前提条件によって内容が変わる可能性があります。今回は、対中国に対する安全保障を中心に洞察したいと思います。当然、ロシアや北朝鮮の脅威もありますが、現時点の優先順位は中国だと考えます。
まず、考え方の前提として、国家間の紛争は軍事バランスによって均衡していると考えます。近年の中国の国境を接する国とのトラブルは、中国側の一方的な侵略行為によって大きな脅威が発生していると考えられます。これは、中国の軍事力が大きく成長したことが原因です。国際秩序は倫理的な要素も含まれますが、現実的には軍事バランスによって均衡しています。そう考えると、中国の軍事力に対抗するためには、日本も相応の軍事力を保持する必要があります。
次に、安全保障を確保するための同盟の重要性です。歴史を振り返ると、非同盟で生きていくためには強大な軍事力が必要となります。日本の場合、海洋も含めると国土が広く、その防衛には相当なコストがかかります。コスト面から考えると同盟は有利ですが、現実的に考えられる同盟相手はアメリカしかありません。イギリスも有力ではありますが、中国に対抗するにはコスト面で不利です。中国との同盟は現実的に考えられません。
最後に、国内世論や憲法の問題との関連です。日本国憲法は、アメリカが日本に二度と軍事力を持たせないために作られたものであり、その制約の下で安全保障を確保するのは困難です。一部の政治家は外交努力で安全保障を確保すると述べていますが、外交努力だけで安全保障を確保するのは現実的ではありません。外交努力も最後のバックボーンは軍事力です。
以上から、日本は軍事力を増強すると同時に米国との同盟を維持する必要があります。また、国民には正確な歴史と現状を伝え、世論を喚起することが重要です。現在の政治的混乱の中で、このような議論を進めることは難しいかもしれませんが、国民の理解と協力を得ることが不可欠です。
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