集団的思考と個人的思考
中野信子先生のYouTubeを拝見するといろいろ勉強になります。特に日本人の脳の動きには他とは違った傾向があるというお話には大変興味を持ちました。
そして、その原因として多神教である日本の思考と、一神教であるキリスト教やイスラム教の思考との違いがあるのではないかと思いました。
仏教と神道を中心の多神教である日本人の思考は、色即是空にあるように、すべては一体であるという考えがベースにあると言われます。 ですから、死ぬとその一体に戻ります。
この考え方では、自分本位で考えたり行動しても結局は、その一体に帰着するということとなり、結局、優先するのは、自分ではなく、その一体を優先するべきということになります。そのため、自己中心的な行動よりも、全体を優先する傾向があります。
しかし、その集団が世界レベルであればいいのですが、残念ながら、家族、会社、地域など小さい集団を優先してしまうと、排他主義や村社会的な問題が発生するように思います。
一方、キリスト教やイスラム教など一神教では、絶対的な神のもとに個々人がいます。この世界では、神と個人の関係が中心です。死後は神のもとに戻ると考えられています。この思考では、個人が重要視され、集団的な考え方が弱まりがちです。
しかし、個人的思考がつよすぎると、弱肉強食的な社会になってしまいます。そのため、欧米では徹底的な殺し合いの果てに危機を感じて、国際連盟や国際連合のようなルールに基づいた社会を作り上げようとします。
思考の進化
これまでの歴史の流れを見てくると集団的思考と個人的思考のどちらが優れているとは限らないと考えます。結局両社とも一長一短があり、それぞれを融合しながら、より優れた思考を考えていくことが重要だと思います。つまり、思考を進化させることが重要です。
現在では、これらの思考のベースとなっている宗教の影響は弱まっていますが、それぞれの宗教には貴重な教訓があり、例えば、それらを組み合わせて新しいアプローチを模索するべきです。アメリカでは禅が大変なブームとなっています。しかし、アメリカが仏教国家になるとは考えられません。しかし、多神教である仏教の良いところを取り入れていくことが、新しい思考を生み出す要因になると思います。
日本の場合は、神道と仏教のハイブリッドな宗教を古代から続けてきているため、思考が柔軟ではないかと思います。キリスト教やイスラム教に根差した考えを理解し、いいものは取り入れ、さらに、我々の思考を進化させるここが重要だと思います。
そのためには、自分たちのベースである神道と仏教をしっかり理解し、同じようにキリスト教やイスラム教も知ることがまず一歩です。その上で、いろいろ思考することがなにより大事ではないかと思います。
結局、すべては無常ですから、世界も宗教も刻々と変化しています。その中で、より幸福に生きていくためには、自分の思考パターンも進化させていくことが何よりも大事なことだと思います。
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