福岡伸一先生が述べられている「生命とは動的平衡である」という説に、私は深く感銘を受けました。この考え方は仏教の教えとも共鳴する部分があると感じます。原始仏教の真理は「諸行無常」に集約されますが、その無常の流れの中で、生命は絶えず「動的平衡」を保とうとする存在であると言えるでしょう。
そして、その平衡はやがて崩れ、大きな流れの中に消えていきます。生命が動的平衡を保ちながら輝く瞬間がある一方で、その輝きがどれほどのものであったかを本人が知ることはできません。
このことは、結局のところ、淡々と生きることの大切さを教えてくれます。今という瞬間を精一杯生きることこそが、最も重要なことであると気づかされます。
動的平衡がいつ生まれ、いつ崩れるかは誰にも分かりません。そのため、私たちは生まれた瞬間から、一生懸命に生きることが求められます。そうした生き方の指針として、仏教の八正道が存在します。
正しく生きること、それが動的平衡を保ち、充実した人生を送るための鍵なのです。
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