先進国の政治が揺らいでいます。時代が大きく変わろうとしている今日、それぞれの国は、それぞれの国の事情で政治が大きく揺らいでいます。比較的安定していた日本も自民党の派閥問題で、政権が大きく揺らいでいるように見えます。この揺らぎがどこへ向かっているのかを予測することは難しいのですが、今回は、どういう姿勢で政治のリーダーが国政を進めるべきかについて洞察してみたいと思います。
もともと政治とはその国の支配構造そのもので、その構造がどのように成り立ってきたのかを正確に理解することは大変重要です。その意味では各国の歴史を知ることで、その国特有の政治事情というものが見えてきます。しかし、各国の歴史は当然その国だけで完結せず、世界史の一部です。ですから、世界史の流れを理解しておくことも重要です。
各国の政府は内政問題と外交問題の両方をハンドリングしています。また、民主的な先進国の政府は選挙でえらばれているため、国民の感情に寄り添う必要があります。国民の感情が内向的であったり、排他的であると政治もそういう方向に引っ張られてしまいます。その結果、政策が失敗するリスクが高まります。
そこで、政府が安定的に外交と内政のバランスをうまくハンドリングするためには、国民の感情が安定していること、つまり、国民感情のバランスがとれていることが条件となります。
国民のバランスを保ちながら、変化する世界情勢にうまく国を治めるためには、政治のリーダは、世の中の流れ、これは過去からの流れ、つまり歴史を俯瞰して外交と内政をハンドリングしていってほしいものです。さらに、そのハンドリングは、常に国民にわかりやすく説明されていることが重要です。
日本の場合、戦後の歴史教育において、いろいろな課題が指摘されています。歴史はどう認識するかで、見方が異なります。まずは、事実を正確に知る必要があります。さらに、事実は常に、一部でしかないということも理解しておく必要があります。すべての事実を知ることは、現実的には不可能です。そういった前提で歴史を認識する必要があります。つまり、いろいろな角度や可能な限り正確で多くの事実に基づいた歴史をベースにバランスが取れた歴史認識を持つ必要があります。
日本の国政を担うリーダには、このようにバランスの取れた歴史、特に世界史を俯瞰して、国政を担ってほしいと思います。もちろん、歴史からは、将来を正確に予測することはできません。しかし、マーク・トゥウェインが言ったように、歴史は韻を踏みます。つまり、相似形で繰り返します。歴史を俯瞰したうえで、現時点のベストプラクティスを選ぶことで、過去の間違えを繰り返すことは避けられます。当然、新たな課題が発生するので、いろいろな対策を織り込んでおきます。こういった姿勢で国政に臨めば、あらたな課題が発生してもコントロールできます。最も危険なのは、コントロールできなくなることです。残念ながら、世界のすべてを日本だけでコントロールできませんが、少なくとも日本は制御不能にならないようにしておく必要があります。
以上のように、今の混迷した世界情勢において、日本の政治リーダーは、国民感情のバランスを取りながら、バランスの取れた世界史を俯瞰し、政策をリードすることで、新たな時代を切り開いてほしいと思います。
八正道では具体的に過去の歴史を切り口に、物事を洞察するということは述べていないように思いますが、縁起でつながり、因果応報である世の中を理解することは、つまり、歴史を理解することとに通じているように思います。ですから、八正道に立って政治を行うことは歴史を俯瞰して行うことに通じると思うのです。
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