印刷技術の発展やラジオやテレビの登場などコミュニケーション技術の進化は社会の進化に大きく影響を及ぼしてきました。近年のコミュニケーション技術の一つであるインターネットの普及は、これまでの情報の流れを変えることで、社会に大きく影響を及ぼしています。そこで今回はインターネットの新たな情報の流れが、社会にどのように影響しているのかについて洞察してみたいと思います。
従来、新聞、書籍、ラジオ、テレビ、映画などマスコミは、発信元がマスコミ産業や編集社などの企業に独占されていましたが、インターネットの出現でSNSなどの登場により、新しい情報空間がどんどんできて、誰でも自由に情報が発信できるようになってきました。インターネットはご存じのようにコンピュータ技術と結合しており、個人でも、映像、音声などいろいろなメディアが容易に編集できるため、素晴らしい情報が発信できます。これにより、これまでにないいろいろな変化が顕在化してきました。
社会が変化する時は、いつでも同じですが、良い面と悪い面が出てきます。まず悪い面としては、偽情報の発生です。特に、国家レベルで偽情報の拡散を行い、敵国にダメージを与えるなどの報告もあります。さらには、個人情報を勝手に拡散してプライバシー侵害も発生しています。これらの悪の側面は、ルールとテクノロジーにより迅速に解決していく必要があります。
次に良い面ですが、いろいろな情報が簡単に入手できるようになったということです。これは、すべての情報にわたっていることです。映画やドラマは好きな時に見れるようになりました。 災害が起こった地域の状況はリアルタイムで入手できます。今日の夕飯をどうするかも教えてくれます。学校の講義もオンデマンドで聴講できます。これにより、情報を得るための労力や費用が画期的に削減されました。また、従来情報を独占することで利益を上げていた職業は大きな影響が出ています。さらに、これらの変化は始まったばかりで、今後もそれは続くと思われます。 これは、情報の洪水です。そしてこの洪水は、情報の流れる方向も自由です。
この情報の洪水が、デフォルトとなった社会では、いろいろなニュースにおいて、多くの人が意見を公開できます。また、知識も多くなり、議論が深まり世論が高度化してきていると思います。
社会の変化については、悪い面は、強調されますが、良い部分は、あまり強調されず、さらに、変化の中にいると気づかずに、時間がたってから客観的に判断して初めて認識されることがあります。しかし、我々はこの情報の洪水の状況を正確に認識するべきです。なぜならば、この変化は我々の社会に大きな影響を及ぼすからです。そして、常にどのように対応していくべきかを常に洞察するべきです。常に変化する諸行無常の世の中では、絶対的な正解はありません。その変化を認識し、その時点での最適と思われる対応を実践していくことです。
与太郎が、この情報の洪水に対応するべきことは大きく2つあると思います。
1つは、情報の質を判断して、質の良い情報を多く取り入れていくことです。
2つ目は、よい情報を知るだけではいけません。それら情報をもって自分の意志を形成し、いろいろな人と議論していくことで、さらに自分の意志を高度化していくことです。
これらの2つを実践するために、情報の見分け方のテクニックと議論のテクニックを研鑽していくことが重要です。これは、まさに八正道の正精進に通じるものです。つまり、情報の洪水に関係なく、我々が実践するべき内容は、2600年前と同じなのです。しかし、情報の洪水になった現代は、この実践が多くの人にとって必須のスキルになったのではないかと考えています。
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